こんにちわ。おはようございます。こんばんわ。マベ太郎です。
今回は映画で観た、遺伝子組み換え作物に関する記事を書いていきます。
今回観た映画は、2015年に公開された映画「パパ、遺伝子組み換えってなあに?」という映画です。この映画では、映画監督の一家が子供が生まれた事をきっかけに自分たちの食に対して興味を持ち、その中でも我々の生活の中に知らぬ間に広まっている「遺伝子組み換え作物」について、いろいろな場所を巡って、いろいろな人の意見を聞きながら考えていく映画です!すでにレンタルしている映画なので、もし興味があれば観てみてください!今回観た映画の予告編は、下記になります。
この映画の中で学んだ事を、そのまま記事にすると同時に、自分でも遺伝子組み換え作物の事を考えて、この記事を作成することにしました。
遺伝子組み換えとは?
みなさんがスーパーなどで購入する、一般的な食品の原材料の表示の中に”〇〇(遺伝子組み換えでない)”という記載を見る事はあると思います。ただ、その遺伝子組み換えというのは何かと問われると、よくわからないですよね。自分もよくわかっていませんでした。そこで、遺伝子組み換え食品とは?そして、遺伝子組み換え作物とは何なのでしょうか?その答えが消費者庁のあるページに記載されていたので、引用します。
遺伝子組換え食品とは、他の生物から有用な性質を持つ遺伝子を取り出し、その性質を持たせたい植物などに組み込む技術を利用して作られた食品です。
遺伝子組換え技術では、自然では交配しない生物から遺伝子を持ってくることができるため、従来の掛け合わせによる品種改良では不可能と考えられていた特長を持つ農作物を作ることができます。
上記の通り、”自然では交配しない生物から遺伝子を持ってきたり、その作物に有用な性質を持った遺伝子を取り出して、その性質を組み込んだ植物や作物“を”遺伝子組み換え作物“と呼び、そういったものを使っている食品を”遺伝子組み換え食品“と言います。
たとえば、トウモロコシは水やりが重要で、水切れを起こすと実入りが悪くなります。国連食糧農業機関によると、トウモロコシを1キログラム作るために、500キログラムの水が必要になるそうですが、それを管理するのは大変だと思います。そういった作物の悪い部分を解決するために遺伝子組み換え技術が使われています。今回の場合、”枯草菌“の遺伝子をトウモロコシに組み込んで、水分不足な状況でも実入りが悪くならないトウモロコシ(MON87460)を”モンサント“というアメリカの会社が開発しています。このトウモロコシは、アメリカでは一般的に栽培されているものです。この”遺伝子組み換え作物”は農家さんの管理が簡単になり、良い面が多いように思えます。ただ、他の遺伝子組み換え作物の中にはもっと凄い遺伝子が組み込まれているものもあります。
そのトウモロコシはBtコーンと呼ばれるものです。普通のトウモロコシは”メイガ”などの害虫が天敵で、トウモロコシの内部に入って実や食べられてしまいます。そこで、害虫に強くするために”昆虫病原菌の一種“である、”バチルスチューリンゲンシス(Bt)“から”害虫殺すタンパク質を作る遺伝子“を取り出して、トウモロコシに組んだものが、Btコーンと呼ばれる”遺伝子組み換え作物“です。さきほどの通り、このトウモロコシには”害虫を殺すタンパク質を作り出す遺伝子“が組み込まれているため、トウモロコシ自体に殺虫成分があります。したがって、トウモロコシの実を食べようとして、葉を齧って中に入ろうとする”メイガ“は葉を齧った時点で、殺虫成分が身体に入り、死んでしまうのです。殺虫成分があるトウモロコシ、おそろしいですね。
他にも、ある特定の除草剤の影響を受けない、トウモロコシや大豆もあります。名前は”ラウンドアップレディー“というもので、世界的に有名な除草剤”ラウンドアップ“というものに耐性があるため、例えば、畑にこの除草剤を撒くと、雑草のみが枯れてしまい、“ラウンドアップレディー”というトウモロコシや大豆だけが生き残るという事になります。除草の大変さを画期的に変えた除草剤と種のセットとして有名です。とは言っても、その作物だけが除草剤の影響を受けない、というのは何か言い知れぬ怖さを感じてしまいますね。ただ、日本の食品安全委員会でしっかりと審査がされ、その結果、ヒトの健康を損なうおそれがあると認められないと判断されており、これまでその判断に影響を与えるような話は出ていないとしています。
実際にヒトの健康を損なうおそれはないという事で、結論が出ていますが、それでもこのような作物がわたしたちが食べる食品の中に使われているのかも知れないと思うと、少し怖い気がしますね。
さて、これらの作物はそもそも、わたしたちが食べる食品の中に含まれているのでしょうか?それも調べていきます。
遺伝子組み換え作物が使われている食べ物
まずは、世界、そして日本の遺伝子組み換え作物の全体的な状況を調べてみました。そうしたところ、日本の農林水産省のHPの中に良い資料があったので、これを参照しながら話をしていきたいと思います。資料も昨年の令和元年10月に作成されたものですので、かなり直近の状況がわかると思います!
<引用元資料>
遺伝子組換え農作物の管理について- 生物多様性を確保する観点から -
この資料を見ていきましょう!まずは、このデータですね。
農林水産省HP 資料より引用
まず、世界では遺伝子組み換え作物の栽培面積は1億9000万ヘクタールもあるという事がわかります。日本の国土は3779万ヘクタールなので、日本の国土の5倍もの面積で遺伝子組み換え作物が栽培されているのです。また、資料にも記載されていますが、日本の農地面積の43倍でもあるとの事。途方もない数字ですね。
そして、栽培されている作物のトップは”大豆”で、2番目が”トウモロコシ”、3番目が”綿(ワタ)”、4番目が”セイヨウナタネ”となっていて、この上位4品目だけでも世界の遺伝子組み換え作物の栽培面積の99%を占めています。ぱっと見て、大豆やトウモロコシは畜産の飼料とか、セイヨウナタネはナタネ油なんかが有名なので、普通に口にしていそうな気がしますね。。。この資料の先に答えがあるのでしょうか?さて、次のページを見ていきましょう!
農林水産省HP 資料より引用
ここで一つ安心したのが、資料に記載があるとおり、「⽇本において⾷⽤・飼料⽤として使⽤することを⽬的とした遺伝⼦組換え農作物の商業栽培はない」とある事ですね。という事は、日本国内産の作物はすべて遺伝子組み換え作物ではないという事ですね。ただし、「遺伝子組み換えのバラのみ商業栽培」があるという事です。バラは食用ではないため、そこまで気にする事も無い気がします。そして、海外での遺伝子組み換え作物の栽培状況を見ると、1位は”米国”、2位は”ブラジル”、3位は”アルゼンチン”、4位は”カナダ”となっており、この4か国の栽培面積を足すと”1億6290万ヘクタール“です。世界全体の栽培面積が”1億9000万ヘクタール“なので、この4か国だけで、85%を占める事になりますね!そして、どの国も北米と南米に集中してます。さらにここに5位の”インド”を足すと、5か国の栽培面積は”1億7450万ヘクタール”になり、91%になります。5か国ともに世界の国土の大きさでトップ10に入る国ばかりなので、遺伝子組み換え作物は国土が広い場所で大量に栽培するのに適した作物なのかも知れないですね。
さらに次のページを見ていきましょう!次から大事な事がわかってきます。
農林水産省HP 資料より引用
このページでは、各遺伝子組み換え作物の日本への影響具合が少しわかります。グラフは各国の各作物の遺伝子組み換え作物の栽培面積の比率を表しています。例えば、日本のトウモロコシは、米国からの輸入に頼っていますが、その米国のトウモロコシの栽培状況を見てみると、平成30年では92%が遺伝子組み換え作物となっております。という事は単純に考えて、日本が米国から輸入しているトウモロコシの92%は遺伝子組み換え作物であっても不思議はないという事です。他の作物も同様に、大豆は米国からの輸入に頼っていますが、米国の大豆の栽培状況は全体の94%が遺伝子組み換え作物ですし、セイヨウナタネはカナダからの輸入に頼っており、カナダのセイヨウナタネの95%は遺伝子組み換え作物という事になっており、各国からの輸入に頼っている状況なので、知らず知らずのうちに遺伝子組み換え作物を食べている可能性があります。そうすると、これらの作物は何に使われていて、どのようにわたしたちに関わっているのかを知る必要があります。という事で、次のページへ進みましょう。
農林水産省HP 資料より引用
このページでは、簡略的に遺伝子組み換え作物の使用用途が記載されております。資料によると、「⽇本は飼料⽤途や⾷⽤油、⽢味料等の原料として、トウモロコシ、ダイズ、セイヨウナタネ及びワタを⼤量に輸⼊。」と記載がありますね。飼料になっているという事はその飼料を食べて育った、豚や牛、鳥などが日本国内にいる事になり、それらのお肉を食べる事でわたしたちも知らずのうちに遺伝子組み換え作物を摂取している事になりますね。また、食用油などにも使われているという事で、サラダ油や綿実油などにも遺伝子組み換え作物が使われている可能性はありますね。各それぞれの作物が何に使われているか?がわからないので、ちょっと調べてみました。そしたら、同じく農林水産省のページの中に資料があったので、それを見ましょう。
<引用元資料>
遺伝子組換え農作物の現状について
農林水産省HP 資料より引用
この資料は平成25年のデータですが、トウモロコシは液糖や水飴、大豆やセイヨウナタネ、ワタは食用油として使わているみたいです。飼料用として使われていると記載が先ほどの資料にはありましたが、ここには飼料の文字はありませんね。さて、液糖や水あめ、食用油には、「遺伝子組み換えではない」という表示はされることになっているのでしょうか?そもそも、遺伝子組み換え作物で作られたものとそうでないものとで見分けが付くようになっているのでしょうか?そこも調べてみました。答えは消費者庁のHPにありました。
<引用元資料>
知っていますか?遺伝子組換え表示制度
消費者庁HP 資料より引用
この資料にある通り、遺伝子組み換え作物を使った食品で”遺伝子組み換え作物を使っている事を明記する必要がある“加工食品群はここに挙げられた33品目のみ”です。したがって、家畜の餌などになって、わたしたちの口に入ってくる場合には、家畜の肉や乳製品、卵などには表示はありません。でも、それらの家畜の餌は海外からの輸入に頼っているため、遺伝子組み換え作物である可能性が高いのですね。また、よく見るとわかるように、「しょうゆや植物油などは、最新の技術によっても組み換えDNAなどが検出できないため、表表示義務はありません。」との事。ただ、任意で「遺伝子組換えでない」と表示をすることは可能なので、この表示があるか無いか?というのをチェックすれば、意図せずに摂取してしまうという事はないでしょう。
という事で、簡単に言うと、わたしたちの身近に遺伝子組み換え作物というものはあって、意図してか意図せずかはわかりませんが、摂取しているという事がわかりました。では、どのようにして見分ければ良いのか?と言われると、それは、しっかりと「遺伝子組み換えではない」と明記されているかどうかを確認して、購入する事に限るでしょう。畜産品(肉、乳製品、卵など)は表示の義務がないので、なんの餌を使っているかわかりません。これはもう避けようがないと思います。もしかすると、業者様によってはHPなどでどういった餌を使っているか?というのもわかるようにしている業者もあるかも知れないので、業者名でインターネットで調べてみるというのも大事かもしれません。それから、しょうゆや食用油などは表示の義務はなくとも、表示してくれている企業はあります。なので、そういったものを自分で見つけて、選んで購入する事を増やす事ができるだけ、遺伝子組み換えを避ける事に繋がるのではないでしょうか?
最後に
なぜ、急にこんな記事を書いたかというと、そもそもは今回の映画「パパ、遺伝子組み換えってなあに?」を観たからという事もあるのですが、この映画を観た事で「知る事で選択の余地が生まれる」と思ったからです。今は外出自粛の影響で、おそらく自宅で料理をすることが多いと思います。外食をするときには、その食事に何が含まれているか?というのは、正直わからない事がほとんどだと思います。ですが、自分で料理をする際には、その材料はどういったものを使うか?は自分で選択することができます。そうした時に、その料理に使う食品は”遺伝子組み換え作物”を使っているものをできる限り避けたいと思っていても、どうすれば避けられるのか?がわかっていないと避ける事ができないのです。なので、こういう記事を書く事で、誰かの「選択の余地」を広げられたらな。と思いました。
もう一つ。今回、遺伝子組み換え作物が悪いものかというと、日本政府でもちゃんと安全性を検討されたうえで承認されているものなので、人間の身体に害を与えるような事はないと思っています。映画の中では、遺伝子組み換え作物自体が悪いというようなイメージがありましたが、正直、そこは自分でわかりません。誰が言っている事が正しくて、誰が言っている事が間違っているのか。専門家の人もいろいろいて、賛成意見と反対意見がそれぞれいます。さらには世界の各国でも、遺伝子組み換え作物に対する意見が分かれているのを見ると、それぞれの判断に委ねられているんだなと思います。だからこそ、少しでも情報を知って、その情報をもとに、自分で判断をして、日々の選択に繋げていく必要があるんだと思っています。
長くなってしまいましたが、記事を読んでくれてありがとうございました。それではまた~♪