こんにちわ。おはようございます。こんばんわ。マベ太郎です。
今回はいつもと変わって、映画の中で歌われている歌に関する記事を書いていきたいと思います♪
今回の記事は、今年観て本当に好きになった、映画「サヨナラまでの30分」の劇中歌である「真昼の星座」に関する感想の記事を書こうかなと思います。映画を観てから、サウンドトラックを何度も聴いていて、この歌の歌詞に込められている想いってなんだろうな?と思って、自分が思った事をまとめてみたくて、書く事にしました!
ただ、今回取り上げる歌「真昼の星座」は劇中、とても大事なシーンで歌われる曲なので、この記事自体が映画のネタバレにもなってしまうと思います。もし、映画をこれから観る方は、観たあとの方が良いかも知れません!
<ここから先はネタバレを含む内容になっていますので、注意してください~>
真昼の星座、とは?
真昼の星座とは、映画「サヨナラまでの30分」の劇中バンド「ECHOLL」が歌っている曲です。この歌は、「新生ECHOLL」として、アキの代わりにバンドのメインボーカルに颯太が加入し、バンドメンバーのヤマケン、重田、森が颯太の事を認めるものの、ピアノ担当であるカナがバンドへの参加を拒んでいる時に作られた曲です。参加を拒むカナがバンドに参加したくなるような曲を作ろう!という事で、アキと颯太の二人で作り上げた素敵な曲なのです。この歌はアキと颯太の二人がカナのために作った曲であると同時に、アキから颯太への想い、そして、颯太からアキへの想いが添えられている歌だと思います。まずは下記のリンクから歌詞をみてください。
アキがカナへと伝えたかった想い、颯太に託した想い
この歌はカナにもう一度、バンドを始めてもらうための音楽を作ろうという事で作られています。カナがなぜバンドをもう一度やることを諦めているかというと、恋人であったアキがいなくなってしまった事、何かをしていないと、一秒でも時間が空いてしまうとアキがいなくなってしまったという事を嫌というほど思い知らされてしまい、もちろん音楽をやろうとすればするだけ、一緒に楽しい時間を作り上げてきたアキの事を思い出してしまうのでしょう。そんなアキという過去に囚われてしまっているカナを未来へと導こうとする、アキがこの歌詞の中にはいます。
離さない 君をそこから未来へ連れ出すよ
その目に映す世界を僕らが変えるんだ
抱えた傷の痛みも強さに変わるから
いつかの君が笑ってる
そうやって進みだそう
アキは、カナを颯太という未来へと連れ出そうとしています。カナが颯太に少しずつ惹かれ始めているという事、そして、カナが音楽に興味をもう一度持ち始めたのは、まさしく颯太とカナが「トライメライ」の連弾を行った事が一つの要因であるという事をアキは知っています。カナが颯太を信じはじめ、アキから今までいくつも渡されてきたカセットテープを箱の中に入れるシーン。このシーンでカナは涙を流し、それに呼応するようにアキも涙を流します。このシーンでアキは、未来へと進もうとするカナがいる事を悟ります。だからこそ、フェスの前のシーンで最後の入れ替わりをした際に「アキを越えましょう!」と自らの存在の事をカナやバンドメンバーに打ち明ける事なく、あくまでも颯太という”未来”に仲間を託したのです。そして、カナの最高の笑顔は音楽をやっている時の顔であるという事を知っているアキだからこそ、この詞を書く事が出来たのだと思います。
そして、この笑っているキミというのは颯太の事でもあるのです。出会ったばかりの時は、やりたい事もないと言い、ただ安定した生活のみを望み、周りと関わる事を嫌う人間であった颯太。そんな颯太が笑顔を見せた瞬間、それはプールサイドで作曲をしている時に、颯太が「仲間と音楽をやるのって楽しいですね」とアキに語り掛けた時です。素晴らしい才能、アキと同じような感性を持ちながらも自分の才能を外に出す事を怖がっていた颯太が、アキと何度も入れ替わりを行って、”ECHOLL”のメンバーと関わる事で、颯太の音楽=自分のみが楽しめればいいという感覚から、誰かと一緒に共有して楽しむものへと感覚が変わっていったのです。そんな颯太の笑顔が、カナ、バンドメンバーを変えていった事も間違いないようもない事実であり、みんなが未来へと進むためにはアキだけではなく、颯太という存在も必要なのです。そんな颯太は、自分がこれ以上、バンドメンバーと関わっていくと、アキとカナ、バンドメンバー3人がこの世で作り上げてきた思い出を自分が上書きしてしまい、アキ=テープの中に残っている記憶が消えてしまい、この世から消えてしまう事を嫌がっています。自分に音楽の楽しさ、みんなとバンドをやる楽しさを教えてくれたのはアキという存在がいなくなってしまう。そんなアキの事を自分が上書きしてしまいたくない、みんなの思い出としてあり続けてほしい。だからカナやバンドメンバーとの関わりを絶とうとするのです。でも、アキはそう思っていません。颯太の笑顔をそして、カナの笑顔、バンドメンバーの笑顔をこれからも未来へとつなげていくためにアキ=過去に囚われるのでなく、未来へと進んでほしい。だからこの歌詞で颯太へと語り掛けているのです。”そうやって進みだそう“と。そんな想いがこの一節から溢れ出ているように感じます。
颯太とアキの二人からカナへ
この歌はカナへ送られた歌という事もあって、二人のカナへの想いも溢れています。
君が迷い、彷徨った時も
立ち止まってしまった瞬間も
僕がその手を引いて導くよ ずっと
ひとりきりじゃ叶えられないって
君が僕に教えてくれたんだ
あの日思い描いていた未来へ行こう
この歌詞、アキからの想いと颯太からの想いと二つが混ざり合っています。もし、カナがまたこの新しいバンドで音楽を続けていく中で、また迷いが生まれ、立ち止まってしまう瞬間があるかも知れません。そんな時にこの歌を思い出してほしい。この歌が迷ってしまったカナの手を引いて、また音楽の楽しさ、仲間と一緒にやる音楽の楽しさを思い出させてくれる。そして、颯太というアキがいなくなってしまった世界の中でも笑顔を与えてくれる存在との出会いを思い出させてくれる。そしたら、また歩き出せるだろう。とアキはカナをこの歌で支えようとしているのです。
そして、颯太は初めて一緒に音楽をやる楽しさを教えてくれた、カナという存在への感謝を歌っています。颯太とカナが連弾をすることで、本当の意味で誰かと一緒に音楽をやる事で得られる人のぬくもりや心が通じ合う瞬間を知ることができたのですから。そして、そのカナという存在が心の底から笑顔になれる瞬間、音楽をしている瞬間をもう二度と離させないようにしようという気持ちを歌っているのだと思います。
颯太のアキへの想い
この歌の中では、颯太からアキへの想いも語られています。
包まって、遮っていた
そんな日常に光が射した
僕は輝いていたい
真昼の星座のように
永遠を歌うから
響け
周りとの関わりをできる限り絶とうとする颯太、そんな颯太しか頼れる人間がいないアキは、颯太の日常にズカズカと踏み込んできます。最初はアキの自由奔放の性格を嫌っていた颯太ですが、彼の持前の明るさとポジティブ思考、そして「俺にこじ開けられない扉はない」という口癖を本当に実行して道を切り開いていく姿に、少しずつ心を開いていきます。そんなアキのおかげで、颯太はECHOLLのメンバーである、ヤマケン、重田、森の三人という自分を認めてくれる仲間と出会う事ができたし、カナという音楽を誰かと楽しむ事の素晴らしさを教えてくれた存在と出逢う事も出来ました。颯太にとっては、アキは太陽のような存在なのです。本棚の中でずっと仕舞われていた本が虫干しをすることで、太陽の光を浴びて生き生きと呼吸をするように、颯太もアキという太陽のような温かさと明るさ、音楽そしてバンドへの情熱を浴びる事で、今まで暗がりで一人で音楽をして、誰の目にも留まる事のなかった自分に、スポットライトという光を与えてくれた、そして誰かと音楽を共有する事の素晴らしさを教えてくれた。そんなかけがえないの無い友人に対する感謝がこの一節で表されています。そして、真昼の星座。真昼の星座は、目に見えません。太陽の光が明るすぎてどこにあるのかもわかりません。でも、間違いなく光っているのです。まるで、存在は消えてしまったけれども、颯太の記憶に、カナの記憶に、そして、ヤマケンや重田、森、バンドメンバー三人の記憶に、ファンのみんなの記憶にいつまでも消えず、ずっと輝き続けているアキという存在のように。そんな大切なアキの記憶を、ずっと世界から消さないように=永遠に生き続けるように、この世界で”ECHOLL”というバンドを響かせていくよ!という颯太の強いメッセージも感じられます。この一節をフェスで唄う颯太の表情は力強く、この世界を震わせていて本当に感動しました!歌詞が本当に良い歌だと思います。
最後に
今回は今までとは違って、劇中に出てくる歌の歌詞に関する記事を書いてみました。この記事を読むだけだとわからない事もあると思うので、本当に映画館に足を運んで、この映画を体感してもらってから読んでもらえるといろいろなシーンや登場人物の感情なんかを感じ取れたりするかもしれないと思います!この映画もそろそろ公開から一か月が経とうとしているので、そろそろ上映が終わってしまう映画館も出てくるかも知れません!映画館で上映が終わってしまう前に、近くの映画館で観てみてもらえると嬉しいです!上映している映画館の情報のリンクも下記に記載しましたので、もしよかったら見てみてください。意外に近くでやっているかも知れません
それではまた~